Farbe
第一章






この世界は魔法でできていて、誰にでも魔法は使えて、どんな人でも最低限日常生活に支障がないくらいの魔力を持っている。


それでも世界には力の格差ってもんがあって、この世界では生まれた瞬間から決まってしまう。


昔は特に、その格差がひどかったみたいだけど、ここ数年の間にだいぶ"それ"は縮んだ国が多くなった。




"それ"はその人を見た瞬間でわかる違い。

人はみんなその色を持っている。




髪の毛であったり、瞳の色であったり。

その色は自分の力を示している、いっても過言ではない。





上から、


アインス  【最上位】

ゴルト   【金】

ズィルバー 【銀】

オランジュ 【橙】

ヴィオレット【紫】

ブラウン  【茶】

ブラウ   【青】

ロート   【赤】

グリューン 【緑】

シュヴァルツ【黒】




10個もある階級の中【最上位】は色は1つに決められておらず、髪が伸びていくうちに色が変わる”特殊”だった。



そして、【黒】である最下位もある意味、”特殊”であった。




【最上位】アインスは1年にその国で数人しか生まれず、それはとてもとても貴重な存在で、国(世間)に大事に大事に育てられるのだった。





しかし【黒】シュヴァルツも1年に数人しか生まれない。
それも、アインスよりも少ない。


しかし、魔力の強いアインスに比べ、魔力の少ないシュヴァルツはその”必要性”を感じなかった。



そのため世界はシュヴァルツを魔力の多い順に最下位に突き落としたのだった。



しかし、それは、最初に言った通り、ここ数年で多くの国が考え方を改め、強い国は”平等”を訴えたのだ。



『たとえ、魔力に違いがあっても、同じ人間であり、生き物なのだ。』


と。





しかし、ある国ではまだ、格差は大きく開き、魔力の強いものはふんぞり返っていた。

その国の”変化"の物語。












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