イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「で?好きになりそうな見込みはあるのか?」

「・・・正直自信はないよ。アマルダには強がりで私の事を好きになると思う、とは言ったけどね」

ヴァンの顔には少し不安を含んだ笑顔が表れていました。

今まで見たことのない顔。

余程心配なのでしょう。
その顔にサイモンは思わず笑みが零れてしまいます。

「何が可笑しい?」

そんなサイモンにムッとした表情を見せるヴァン。

「お前がそんなに余裕のない顔を見せるなんて、なかなかないからさ。・・・まあ大丈夫だよ。お前の事ちゃんと知ったら好きになってくれるはずさ」

「そうだといいけど。だから3ヶ月は一緒に住む事にも同意させた。こうでもしないと私と会おうともしないし、逃げられたら困るからね」

「・・・同意させたって・・・。お前、それは・・・」

「手段は選ばないよ。それだけ私はアマルダと結婚したいと思っているんだからさ」

・・・驚いた。
こいつってこんな奴だったか?

強引で、積極的で。
好きな人には手段も選ばない。

人を好きになるとこんなに変わるもんなのか?

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