イケメン侯爵様とお試し結婚!?

番外編５ ラフィアの恋１

「お帰りなさいませ、アマルダ様。ご婚約おめでとうございます」

結婚式を２ヵ月後に控え、アマルダは自分の屋敷へと一時戻ることになりました。
エントランスで声を掛けてくれたのはアマルダの侍女ラフィアです。

「ありがとう、ラフィア。悔しいけど負けちゃったわ」
「アマルダ様が幸せなら、負けても全く構いませんのよ。さ、旦那様がお待ちです。アマルダ様のお荷物はこちらでお部屋までお持ち致しますから、アマルダ様は食堂に」
「分かったわ。ごめんなさいね、ラフィア。夜にでもゆっくりお話しましょう。色々と話したいことがあるの」

ラフィアはニコリとして頷くと、食堂へと案内してくれます。
食堂へ行くと、お父様はいつもの席に神妙な面持ちで座っていました。

「遅くなりました、お父様」
「お帰り、アマルダ。上手くいったと聞いて安心したよ。あちらでの生活で、何か失礼はしていないだろうね？それだけが気がかりで仕方なかったよ」
「失礼ってそれこそ失礼な・・・。楽しく生活しておりましたわ」
「そうか。ならばいいのだが。・・・いやしかし、この話を進めたのは私だがいざ結婚すると聞くと、寂しくなるものだな」
「・・・これから１人ですものね、この屋敷に」
「仕方の無い事さ。娘を持つと言うのはこういうことだ。・・・さあ、料理が冷めてしまう。席へ着きなさい」