イケメン侯爵様とお試し結婚!?
久しぶりのお父様との食事。
ヴァン様の家族との食事のようににぎやかな食卓ではありませんが、それでも楽しい食事の時間となりました。

「この野菜はここで採れた物かしら?みずみずしくて美味しいわ」
「そうだ。お前がいなくなっても、ラフィアがあの畑を管理している。お陰で新鮮な野菜を食べる事が出来て感謝しているよ」
「そうなの。ありがとう、ラフィア」
「旦那様はこれからもこの屋敷の主として、健康でいてもらわなくてはいけませんから。健康の秘訣は新鮮な野菜を沢山摂る事、ですよ」
「アマルダがいなくなってから、食事管理が厳しくなってなぁ。まあそのお陰で少し腹も引っ込んだ」
「いい事だらけじゃないの、お父様。まだまだ働ける歳なのだから、元気でいて下さいな」
「そうだな、孫も見ずに死ぬわけにはいかんな」

ははは、と笑いながらワインを飲み干している伯爵様を見て、アマルダも嬉しくなり笑みを漏らします。

伯爵様の笑顔を見たのはいつぶりでしょうか。
いつも仕事が忙しく、屋敷の中でも厳しい表情しか見せなかった伯爵様。
そんな伯爵様も、アマルダの結婚が決まり嬉しいのでしょう。
その笑顔は、子供の頃にアマルダに見せた笑顔と同じものでした。

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