イケメン侯爵様とお試し結婚!?
番外編5 ラフィアの恋2
・・・あの人を想うようになってから、どのくらい立つのだろう。

気付いた時には、あの人には綺麗な奥様と、2人の子供がいて。
私は妹のアマルダ様の侍女になった。

旦那様の愛する奥様が亡くなられたのは、ちょうど私が18歳になる年だった。
お葬式でも涙を見せず、気丈に振舞っていた旦那様の涙を見たのは、全てが終わった夜。
亡き奥様の部屋で、声を押し殺し肩を震わせて泣いていたのを、半分開いた扉の隙間から見てしまった。

奥様が亡くなられてから、旦那様には山のように縁談の話が舞い込んできた。
段差様は送られてくる手紙を、開けないまま捨てていた。
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