わたし、式場予約しました!
 随分鳴ったあとで、一真は出た。

「やかましいっ」
と開口一番言うので、

「もともと先輩がかけて来たんじゃないですか。
 キャンセルしてもいいですよ、式場」
と言うと、本当か? と自分で言っておいて、胡散臭げに言う。

「他の空いてる日を取ってください。
 仏滅でもいいです」

 九月二十日より前なら、と言うと、

「お前も大概、しつこいな。
 じゃあ、九月二十日当日にしろよ。

 和歩は海外で、お前はうちで挙式しろ」
と言い出す。

「それだと親が困るじゃないですか」

「一人ずつ出席して貰え。

 まあ、わかった。
 とりあえず、この日はキャンセルしとくよ。

 それと、とりあえず、俺とパスポートを取りに行こう。

 どうせ、和歩の結婚式で要るかもしれないだろ」

 まあ、確かに要るか。

 それに、一真も要るかもしれない。

 海外挙式でも、友達も呼ぶかもしれないから。
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