お面妖狐
もう一人の大切な仲間







『はぁぁぁぁ。もう出てきてくださいよ。
不愉快です』





一人で廊下を歩いて上からコソコソと
あの誰もが嫌いな虫みたいに、
ついてくるやつに向かって言った。


真上にいるのはわかってるのにね。





『隠れててもなにもでてきませんのに。
姿みせてもなにもないですけど。
気配を消してるみたいですけど、
全然バレバレ。
出てこないならいいですけど、
寝るときはどっか行ってください。
視線を感じながら寝るのは不愉快です』





不愉快が口癖になってきたような…。


まぁいいか。





その日の夜。


視線はなく、安心はできなかったけど、少しゆっくりと寝れた。



朝は勿論、総司が私を抱き枕にしている状態で苦しくて起きて、あの方法で起こしている。


何回これが続くのかわからない。


時々甘味を食べに行ったり、森に行って総司に木の実を食べさせたり、

平助も一緒に鬼ごっこしたり、


いろいろありながら時間が過ぎた。


なんか、楽しい。



私がここ、新撰組に来てはや1ヶ月がたった。



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