Love Place


突然、自分の身体が後ろに傾いた。


えっ、と思う頃には誰かに後ろから抱き締められていた。


「誰だお前!!!」


と風間さんが大声を出す。


「お前こそ誰だ。莉茉泣いてんだろ」


「な、ぎさ……?」


「莉茉。大丈夫だ」


私を抱き締めている正体は渚だった。


それから渚に耳元でそう囁かれ、ぎこちなく首を縦に振った。


「莉茉ちゃん!こんなやつ放っておいて早く行こ!俺の部屋」


と言って風間さんは私の腕を引くが、私は渚にがっちりと抱き締められているせいで動かない。


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