Love Place


だから私が掴まれている腕を離そうと必死になればなるほど。


掴んでいる腕の力は段々と強まってくる。


「は、離してください!!」


「離すわけないだろ!莉茉ちゃん逃げるでしょ!」


「お願いですから!離してください!」


「離さないって」


男の人の力に勝てる筈もなく、私はもがいているしかない。


するといきなり引き寄せられて、唇に何かを感じた。


動揺しすぎて一瞬何をされたのか分からなかった。


でも一向に止まらないキスに、気を取り直して必死に抵抗する。


それでも腕は掴まれたままで、どう足掻いても押しのけられる訳がない。


駅前なだけあって、周りの人はみんな忙しそうに前だけを見て歩いているから、私たちには気付かない人が多い。


気付いている人はいるけれど、みんな恋人同士の揉め合いぐらいにしか思っていない。


私もこの歳だから悲鳴なんて柄ではないし、あげようにも自分の招いた自体だ。


自業自得だ。


前に朱里が言っていた、今までの人がいい人たちばかりだったんだ。


たとえ身体の関係を持ってしまったとしても、みんな私のポリシーをわかってくれた。


でも今回はそうじゃなかった。


これは本当に今までの自分への罰かもしれない。


そう思うと、だんだん抵抗する気もなくなってくる。


その時。

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