イジワル同期とルームシェア!?
すると長机に座った元希が、私の両脇に手を差し込むと子どもにするように身体を持ち上げ、膝の上にのせた。


「元希!私、重いでしょ!?やっぱ降ろして!」


元希の膝に腰掛けている状態の私。
これが恋人同士でなかったら、異常な光景だ。

私服は半袖のボートネックブラウスに、膝丈のフレアースカート。
スカートがめくりあがらないように、必死に手で裾を整える。


「あ、膝こっちじゃ駄目だ。ほら、逆向いて」


元希が再び私の脇に手を入れ、身体を方向転換させる。私は脚を先ほどとは逆方向に出し、座りなおした。
どうやら、ドアの方向に私の身体を向けておきたいみたい。


「これでヤツが入ってきたとき、すぐにおまえの姿が目に映る」


「元希……結構、力あるね。重くないの?」


この体勢が恥ずかしくて、ごまかすようなことを言ってしまう。
元希は右側から至近距離で私を見上げる。少しだけ下に位置する元希の顔が、笑顔に変わった。


「アヤ、軽いよ。膝にのせてる分には全然重くないし、さっき持ち上げた時も小学生くらいの重さだった」
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