イジワル同期とルームシェア!?
『文、別れてくれない?』


昼休みだった。
ランチに呼び出され、なんの前置きもなく言われた別れの言葉。


『え?なんで?』


間抜けにも聞き返した私を大士朗は困った顔で見つめた。


『僕、婚約が決まったんだ』


婚約?

その言葉にまずは凍りついた。
次に私たちの置かれた状況を理解した。


ああ、やはり彼は御曹司。

親の決めた相手と一緒になるしかないのね。

聞けばお相手は同じくグループ会社の洋々ケータリングエアの社長令嬢。
機内食を扱いグループの中でも上場している数少ない企業だ。

我が社に何かあったら、まず引っ張りあげてくれそうなところとご縁を結ぶわけだ。


だけど、理解はできても、ハイソーデスカと納得はできない。
私の気持ちは別れを飲み下せない。
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