イジワル同期とルームシェア!?
「引越し、手伝い要るか?」


「ううん、大丈夫。今回は引越し業者のおひとり様パックみたいなのを頼む」


「そっか」


元希は小さく息をついた。
表情は穏やかで、先日の金曜の晩が夢の中の出来事のように思えた。

何かの間違いみたい。
私たちの間に、同居解消の話が出ているなんて。

あの金曜の夜さえなければ、元希の告白さえなければ、私たちは仲の良い友人として、このまま同居生活を送れていただろうか。

……卑怯な考えはやめよう。

同居解消は元希のせいじゃない。


『話し合い』というほど言葉の応酬があったわけではない。
どちらかというと事務的に、私と元希は同居解消の手続きを相談し、納得した。


「お世話になりました」


私は向かい合った元希に頭を下げた。
自分で切り出しておいてなんだけれど、こんなかたちで離れようとしていることが、まだ信じられなかった。
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