イジワル同期とルームシェア!?
実際のところはわからない。

いくら元希が、仕事ができるといったって、社内では入社3年目の新人に毛が生えたようなものだ。
それをヘッドハンティングだなんて。しかも、いいところの社長さん自らなんて。
話が出来すぎている。

きっと噂には長~い尾ひれがついているに違いない。

しかし、火のないところに煙が立たないのも事実。
まことしやかに流れる噂を聞いていると、もしやなんて思ってしまう。

もう1週間以上、元希の顔を見ていない。
いや、元希と会ったとしても、噂を問い正すことなんかできないだろう。



9月1週目の金曜、私は涼子と久しぶりに飲みに来ていた。
場所は『醍醐』だ。

涼子は私の元気がないと思っている。たぶん今日はそのあたりを気にして、週末の夜、時間を割いてくれたんだろう。

涼子のいつものトークを聞く私は確かに元気が出ない日々を送っている。
答えの出ない悩みと、言う機会をなくした言葉が胸を侵食しているせいだろう。

元希がいなくなるかもしれない。
このまま、何も言うことなく、この恋は終わるのだろうか。

冷たいカルピスサワーも、喉で引っかかって上手に入っていかない。
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