イジワル同期とルームシェア!?
「努くん、アデレードホテルって羽田空港隣接のあそこでいいんだよね」


気付いたら立ち上がっていた。
衝動に突き動かされるように。


「ああ、国際線のターミナルビルに併設されてる。3階のバンケットルームだと思う」


「文……」


涼子が心配そうな顔で私を見上げる。
私はくっきりと笑顔を返した。


「涼子、私、離れてみるまで元希への気持ちに気づけなかった。きっかけをありがとう」


「ううん、私、お節介だったかなってずっと反省してた」


「ちょっと遅くなったけど、元希と向き合ってくる。逃げるのはやめた。努くん、涼子ありがとう」


私は頭を下げるなり、カバンをつかんで『醍醐』を飛び出した。




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