イジワル同期とルームシェア!?
「古町、青海が会社を辞めるのを止めてきてくれ!おまえなら、あいつの心を動かせる!」


努くんが言い切った。


駄目だよ、努くん。

私には資格なんか……




……いや、あるわ。



資格じゃないけど、私には伝えてないことがある。


元希の未来を変える権利はないけれど、本当の気持ちを伝える権利はある。


新人時代、ヘコんだ私を引っ張り上げてくれた元希。
失恋のどん底にいた私に手を差し伸べてくれた元希。


いつだって意地悪な物言いに隠した優しい気持ちを感じていた。
だから、私は元希を信頼していたんだもん。

気付くのが遅くて、鈍感で、全然元希には追いつけない私だけど、
まだちゃんと伝えていないよ。


元希が好きだって。


たとえ、元希がすでに私を忘れ、別な方向を向いていたとしたって、ここで伝えなかったら一生後悔する!
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