イジワル同期とルームシェア!?
「せっかく青海さんと近づけたと思ったのに、横から古町さんに盗られちゃったんですよ?ひどすぎます!きっと、古町さん、青海さんがアデレードホテルの御曹司だって知って、慌てて告白したんですよ!」


「あのさぁ、文は何にも知らなかったよ。青海に好きだって言われて困惑してたのは確かだけど、自分の気持ちに気付いたから告白したの。御曹司だから惜しくなったんじゃないの」


「そんなの、後でなんとでも言えるじゃないですかぁ!!」


渡辺は吠えるように訴えて、また突っ伏して泣き出した。

うーん、タチの悪い絡み酒だ。
でも、後輩が私の同期を逆恨みするのを見逃すわけにはいかない。


「だいたい、金村さんはどっちの味方だったんですか?私が青海さんのこと好きだって知ってたんですよね」


渡辺は顔を真っ赤にして、私まで仇のように睨む。
味方かぁ、文の味方だったんだよなぁ。最初から最後まで。だから、余計な口出しもしちゃったんだし。


「舞花、そんなこと言っても金村さんも困るよ。ほら、これ飲んで」


今回はなだめ役に徹している山口が渡辺を落ち着かせようとお水を勧めた。
< 287 / 323 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop