イジワル同期とルームシェア!?
「だって、私は告白する機会すらなかったんだよ?プールと飲み会で楽しく話せて、これからどんどん距離を縮めて行こうって思ってた矢先に……。ホント古町さん最低!一緒にプールに行った時、絶対私の気持ちに気付いてたはずなのに」


「あんたさぁ、片想いなんてヨーイドンでしょ?みんな一律同じスタートなの。みんなが一位になりたいのに遠慮するヤツぁいないね」


私も気が長い方じゃない。最初は私が後輩のガス抜きになるならと付き合ってきたけど、長時間の堂々巡りに付き合ってきて、そろそろ限界。

それに文はそんなに悪いことをしていない。

私は少し口調を変えて、きつめに言う。


「渡辺の説だと、自分は後出しだったからダメで、先に告白したから文が青海をゲットしたみたいに聞こえるけど、順序が逆でも青海が選ぶのは文だよ。入社したての頃から文を好きだったんだ。周りの私たちが気付いちゃうくらい」


「そんなのわかりませんよ!私が先に告白していれば、青海さんの心も動いたかもしれません。悪いですけど、古町さんよりは顔もスタイル良いって自負はありますし」


渡辺は普段からこんな傲慢な女じゃない。
後輩としては細々としたことに気がつく良い子だ。
ただ、今は失恋で目が曇ってる。
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