イジワル同期とルームシェア!?
『でも、本当にいいの?』


青海は黒い短髪をかきあげて、精悍に笑う。こいつの笑顔、人気あるんだよなぁなんて、どうでもいいことを思い出した。


『同期のよしみ、バカ御曹司被害者会の仲間。あとは、ブンなら楽しそうだからシェアハウスもいいよ』


正直、納得はいっていない。
だけど、行くところはなくお金に乏しい私には、渡りに船だ。

相手はムカツクけど信頼はできる同期。

生活ペースが合わなかったら、即、引っ越せばいいか。


『それじゃあ、お言葉に甘えまして……よろしくお願いします』


私は精一杯しおらしく頭を下げた。
青海が駅に向かいながら言った。


『今夜中に荷造りしとけ。明日の夜、引越し手伝うから』
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