イジワル同期とルームシェア!?
「も……とき」


「もっと滑らかに!」


「元希」


のせられて呼んでしまう私。推定ちょっとバカ。


「はい、いい発音だねー。よくできましたー」


青海が小学校の先生のように手を叩く。


「ちょっと待ってよ。これ、会社及び友人知人にバレないって約束が危ないんじゃない?うっかり人前で名前呼んじゃうなんて事故起こりかねないよ?」


「それは気をつければいい。それに」


青海が形の良い唇を横に引いた。
さっきも見せた悪ーい微笑みだ。


「引っかかりそうな落とし穴を作っておいた方が、スリルあるよな」


ああ、やっぱり青海元希だ。
私は妙に納得した。

私との同居も、こいつには楽しいゲームの一環なのね。
ルールを決めたいっていうのも、ゲームだからでしょ、本当のところ。
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