イジワル同期とルームシェア!?
『醍醐前に到着』


元希にLINE。
その後はうっかり努くんに見つからないように、路地のゴミ箱横に身をひそめる。

あーあ、シャレオツな1日だったのに、ラストでゴミ箱と並んでるよ。
私、何やってんだろ。


「お、そこにいるのは俺の嫁さん」


聞き馴染みのあるいい声に顔をあげると、玄関の引き戸から顔をだし、元希が私の方を覗き込んでいた。

ちょっと何やってんの!
中に努くんいるんでしょ?

私は必死に手招き。
早くこっちこい、玄関からはなれろ!

元希は鼻歌まじりに近付いてくる。上機嫌なのは、すでに結構飲んでいるからだろう。


「何時からここにいるの?」


「17時のクチアケから。まだあんまり飲んでないよ?」


「いや、結構飲んでますぜ、旦那。ところで鍵をいただきにきたんだけど」


元希がはて?という顔。
次に思い出したようで、うんうんと頷き出した。


「そうだったな!今、取ってくる」


持ってきてないんかい!
中なんかい!
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