つきあかり
はあ、と溜め息を吐いて普段動かさない口を頑張って動かす。
「ここはさ、真面目な人間が来るところじゃねえんだよ。見たろ?こんな訳わからん男ばっかなんだよ」
俺はどう伝えればいいのか分からず、ガシガシと自分の頭をかく。
「分かった、今日はもう帰る。ごめんなさいね、迷惑かけて。行こ、ユナ」
そう言ってすぐさま足を進めだしたポッチャリ。
「あ、千代ちゃん」
そのあとを追いかけるユナ。
「……はあ」
俺はまた大きな溜め息を吐いて
千代と呼ばれたポッチャリの腕を掴んだ。