つきあかり

無自覚





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「昨日、どう」

「は?」





次の日の朝早く
俺はいつもの集合場所じゃなく祐樹の家に来ていた。

そして寝ている祐樹をベットから突き落とし、自分がそれに寝っ転がってゲームを始めて早数分。


突然俺は冒頭のことを口にしたのだ。




「ちょっとシュウくん。君の会話にはいつもついていけない。」

「……」


「昨日はちゃんと千代ちゃん送って行った。最後まで文句言われっぱなしだったけど。」

「……」




「……で?お前はどうだったの?ユナちゃんと」


そこまで言われてやっと俺はゲームから視線を祐樹に持っていく。


名前なんで知ってんのこいつ。



「名前」

「千代ちゃんの親友の子の名前。覚えるでしょ?昨日あんだけ連呼されたら」



お前知らなかったの?名前。なんてにやけ顏で言う祐樹を一回睨んでからまたゲームに視線を戻して


小さく、別に。と口にする




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