飴とノイズと君の声

過去と不安とトラウマと

けーちゃんさんの家で、私達は集まっていた。

琳ちゃんさんは携帯の新規メールを開き、文字を打っていく。


[聞いてて、嫌になったら言ってね。俺も、止まっちゃうこと、あると思うから]


「嫌になんてならねぇよ。全部、全部受け止めるから」


[重い話になるかも]


「いいよ。どんな話でも、最後まで聞く」


けーちゃんさんの表情はいつになく真剣。
私も、琳ちゃんさんの方を見て大きく頷いた。


『...怖い。...俺、最後まで話せるかな』


不安そうな心の声。


「...何度止まっても、いくら時間がかかっても、聞きます」


私がそう言うと、琳ちゃんさんは私の方を見て、小さく笑顔を見せてくれた。
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