realize
父と母と私と彼…
とても異空間な場所で私は少し
居心地悪いような気持ちでそこにいた。

「でもあまり大事に至らないようでなによりです。」

彼は父の様子をみて
改めて安心したようにそう言った。


「いやぁ、本当にいてくれて助かったよ」

父はそう言って豪快に笑った。


父が会社関係の人と話しているのを何度かみたことがあるけれど、こんなに楽しそうに話しているのは初めてだった。


「飲み物か何か買ってくるよ、
えー…と、何が良いですか?」


名前を知らないから呼び様がなかったので
視線を合わせるように声をかけた。


「…いえ、もう帰りますので御構い無く。」


一瞬、ドキリとした。
何かを見透かしてしまわれそうなくらい
彼が真っ直ぐに人の目をみたから。


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