思いを燻らす
キッカケ
私は何を求めているのだろう。
夫に愛され、幸せすぎる誰もが羨む生活以外の何を。
年を重ねるごとに求められることへの欲が増す。人に出会い、別れを経験し、行き着く先はどこなのだろうか。


「サーチ!携帯ばっか見て俺のこと何ほっぽってんの」

夫がさりげなく私の携帯を覗く。

「別に、Amazonで中古の本買おうと思って見てただけ。13冊くらい気になる本があるから一気に買ってもいい?」

すばやく切り替えたAmazonのアプリは、数時間前にカートに入れた本達が最終確認の画面に並ぶ。

「そんなのいちいち断らなくていいし、中古探さなくてもいいのに。」

夫は外資系エリートサラリーマン。年収は30代の平均年収の倍以上稼いでいる。6個上ということもあってか、私にとてつもなく優しい。お金も自由に使わせてくれる。顔は特別端正な顔立ちなわけではなかったが、そこが功を成し女性に不自由したことはなかったようだ。
結婚式はハワイと都内のホテルで挙げ、誰もが羨む結婚をしていた。
いや、しているように見えていただろう。
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