No one can replace 『貴方の代わりには、誰もなれない。』
圭吾は、改めて

「紗綾乃さん。
私の看病をして頂いて
ありがとうございました。
栄養のある食事やデザートを
作ってくれて、ありがとう。

一番大切で、失礼な事ですが
あなたの体を奪ってしまい·····
本当に申し訳ありませんでした。」
と、土下座をした。

紗綾乃は、
「頭を挙げてください。
聞いたのですね。
私こそ、騙すようなことをして
すみませんでした。
体の事は、私の中では後悔していませんので
気にしないで下さい。」
と、言った。

圭吾さんは、今まで経緯を話してくれた。

『ある日を境に、急に彩乃が、
料理を作らなくなって
デリバリが増え、
たまに手作りみたいのを持ってくるが
なぜか・・・味が違う
そんな日々に
言い合いが、増えていき
私は仕事にのめり込み
彩乃は、遊びに・・
と、言う日々が続いていました。

だけど、私の中で
ずっと釈然としない何かがあった。

ドイツで会ったとき·····の····
紗綾乃さんの声が、耳から離れず
帰国してから、病院に行き確認しました。

すべての事が明白になり

結婚の話は、白紙になりました。
そして、
紗綾乃さんの体を奪ったと言ったら
敬介さんから殴られまして・・・』

と、言われて。

紗綾乃は、話を聞いて
「びっくりしましたが····
すみません。
父が殴ったりして大丈夫ですか?」
と、あわてて訊ねると

圭吾は、
「大丈夫ですよ。
貴方を傷つけた事に比べたら‥‥平気です。
もう1つ、本当の事を教えてください。
あの子は、僕の子ではありませんか。」
と、訊いた。


紗綾乃は、正直に·····なろうと····
「ちょっと、待って下さい。」
と、リビングをでていった。
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