No one can replace 『貴方の代わりには、誰もなれない。』
紗綾乃は、圭都を連れて
戻ってきて

「まだ、色々話せませんが・・・
お名前は?」
と、言うと。

「あしゃきゅら けえと れえす。
   ん?と、パっパ?」
と、言われて

圭吾の頬には、涙が流れていた。

圭都は、びっくりして

「いたい?いたい?」と

圭吾は、
「大丈夫だよ。痛くないよ。
ただ、嬉かったんだ。」
と、言うと。

圭都は、不思議な顔をして
紗綾乃をみた。

紗綾乃は、
「パパは、痛いんじゃなくて
圭都に合えて、嬉しいって。」
と、伝えると

圭都は、圭吾に近づいて
頭をよしよし、と撫でた。

そんな、圭都を見て······
圭吾と紗綾乃は、笑いあった。

圭吾は、
「僕の子供を生んでくれて、ありがとう。
一人で、大変だったと思います。
どうか、今からは、その大変さを
僕にも分けて貰えませんか?」
と、言うと

紗綾乃は、
「勝手にあなたの子供を
生んでごめんなさい。

この子は、圭都と言います。
勝手ですが、
圭吾さんの名前を一字使わせて
頂きました。

私は、貴方に抱かれたこと
後悔はしていません。
例え、彩乃の代わりでも。

ただ、私の事を何も知らない
圭吾さんと
責任感とかで、
一緒に要るつもりはありません。

ですが、父親ですから、
会いたいときは圭都に
会ってあげてください。

それに貴方は、
日本の会社に勤務されています。
私は、日本に帰るつもりはありません。
私は、一生、大好きなこのドイツで
暮らしていくつもりです。

ですから、圭吾さんは、
日本で幸せになって下さい。」
と、言った。
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