俺達は愛という情を知らない
◆序文



ドラマなんかでよく観る


“真実の愛”なんてものは


実際には存在しないことなんて


とっくに知ってる。


“愛”なんてものは、一時期の


感情の揺れに過ぎず故に脆い。


そんなものを信じたって


何の意味もないことを


誰よりも辛いほど知ってる。


そして、そんな自分が誰よりも


空っぽだっていこうことも――。


誰よりも“愛”というものに飢えていて


“温もり”というものを欲していることを。


他の誰よりも自分がよく分かってる。


だからこそ、虚しくなるんだ――。



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