私はおやつに含まれますか

でも、航平がいる時は違う。

眠りの水へ半分浸かる私を呼び止める。顔を上げると、唇に口付けを落とす。

「おやすみ、鍵はポストに入れとくね」

ベッドに背中をつけたまま、私は返事をする。

抵抗する必要はなかった。
航平は猫だから。

色んな所で餌を貰って、色んな所で名前をつけられて、色んな所で可愛がられる猫だから。

玄関の扉が閉まる音を聞いて、夢へどっぷりと浸かる。







「先輩、彼氏いるんですか?」

欠伸をしながら搾り出した話題がそれか、後輩ちゃん。

オーダーが来ない限り暇な私達。眠気を除こうと考えていたところ。



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