♡〜ラブアドバンス〜独女歩数計オムニバス形式♡
昼休みに中羽達也の例の写真が載っているんだと、頼んでもないのに雑誌を見せに来た麻耶ちゃん。
「ほら、見て下さいよ〜ショックで泣きそうですよ。私これからどうしよう」
「どれどれ」
まるまる1ページを割いて大写しにされている写真だった。
中羽達也の横顔。キスしている相手は、確かに男で背は同じ位だが、中羽達也より細い感じだ。
目線が黒く入れられていて顔は、良くわからない。
髪型は、短髪でトップがツンツンたっている。
英語のロゴが大きく入ったTシャツを中羽達也のキス相手が着ていた。
「ね、ショックですよ〜」
大きなため息をつく麻耶ちゃん。
じっくり相手の男を見てみる。
目線が外れ、キスの続きをするアイドルと若い男の姿が私には鮮明に見えてきていた。
「相手は、売れない役者みたいなんですよ〜。もっとゲイでも相手選べばいいのに。そう、思いませんかぁ」
私から雑誌を取り上げ、またため息をつく麻耶ちゃん。
雑誌を取り上げられた私は、行き場の無くした両手を軽く握りしめた。
売れない役者……世間ではそう見られている男。売れているアイドルと売れない役者。