明日はきっと晴れるから
春町くんの笑顔も言葉も、怖かった。
私の力じゃ男の子の手は振りほどけなかったので、必死に首を横にブンブン振って、嫌だと伝えたつもりだった。
『俺は優しいよ』と言った春町くんだけど、今はっきりと気づいた。
そんなの、優しさじゃないって。
今までは春町くんを優しい人だと思っていた。
私がクラスで一人ぼっちにならないように、仲間に入れてくれたのは彼だった。
美緒ちゃん達に私を認めさせるために、メイクをして茶髪にするような流れに持っていったのも彼。
放課後遊びに行く時も、たいてい春町くんが『一緒に行こう?』と声をかけてくれたし、
遊びなれない私に度々声をかけて、フォローしてくれたりした。
今まではそれが春町くんの優しさだと思って、嬉しくてドキドキして、ありがとうって思っていたけど……違うよ。
だって、私、困ってる。
春町くんが笑顔で私に言葉をかけてくれる度に、もっともっと困る状況に追い込まれている。
そして今も……私には到底理解できない理由で、『キスしてみよっか』って……。