明日はきっと晴れるから



春町くんの笑顔も言葉も、怖かった。


私の力じゃ男の子の手は振りほどけなかったので、必死に首を横にブンブン振って、嫌だと伝えたつもりだった。



『俺は優しいよ』と言った春町くんだけど、今はっきりと気づいた。

そんなの、優しさじゃないって。


今までは春町くんを優しい人だと思っていた。


私がクラスで一人ぼっちにならないように、仲間に入れてくれたのは彼だった。


美緒ちゃん達に私を認めさせるために、メイクをして茶髪にするような流れに持っていったのも彼。


放課後遊びに行く時も、たいてい春町くんが『一緒に行こう?』と声をかけてくれたし、

遊びなれない私に度々声をかけて、フォローしてくれたりした。


今まではそれが春町くんの優しさだと思って、嬉しくてドキドキして、ありがとうって思っていたけど……違うよ。


だって、私、困ってる。


春町くんが笑顔で私に言葉をかけてくれる度に、もっともっと困る状況に追い込まれている。


そして今も……私には到底理解できない理由で、『キスしてみよっか』って……。


< 128 / 257 >

この作品をシェア

pagetop