明日はきっと晴れるから
3歩目を踏み出そうと左足を宙に浮かせた時、急に強い力で体が後ろに引っ張られた。
そのまま尻餅をつくように後ろに倒れて、衝撃を感じた。
ホームにお尻をつけた私の体に、誰かの腕が回されて、背中を強く抱きしめられていた。
何が起きたのか、すぐには分からなかった。
驚く私の目の前には、電車が何事もなかったかのように、停車位置ぴったりで止まっているだけだった。
「何やってんだよ……」
耳元に怒っているような低い声が聞こえる。
それは、結城くんの声……。
どうして結城くんがここにいるの?
もう学校は始まっている時間だよ。
結城くんは電車じゃなく自転車通学だから、駅に用事はないはずなのに。
「どうして……」
そう言いかけて止めた。
私を探していたから、ここにいるのだと気づいたから。
途端に、私の目から大粒の涙があふれだした。
昨日は辛いことがたくさんあったけど、泣いていない。
眠らずに暗闇の中でもんもんと考え続けている間も、一粒の涙も流れなかった。
悪いのは自分だと思っていたから、泣けなかった……。
でも今は、結城くんに抱きしめられて、涙が溢れて止まらない。
もう結城くんには迷惑かけないと昨日思ったばかりなのに、
こうして私を探しに来てくれた彼なら、私の想いを聞いてくれるんじゃないかってまた甘えてしまう。