明日はきっと晴れるから



3歩目を踏み出そうと左足を宙に浮かせた時、急に強い力で体が後ろに引っ張られた。


そのまま尻餅をつくように後ろに倒れて、衝撃を感じた。


ホームにお尻をつけた私の体に、誰かの腕が回されて、背中を強く抱きしめられていた。



何が起きたのか、すぐには分からなかった。


驚く私の目の前には、電車が何事もなかったかのように、停車位置ぴったりで止まっているだけだった。



「何やってんだよ……」



耳元に怒っているような低い声が聞こえる。

それは、結城くんの声……。



どうして結城くんがここにいるの?


もう学校は始まっている時間だよ。


結城くんは電車じゃなく自転車通学だから、駅に用事はないはずなのに。



「どうして……」


そう言いかけて止めた。


私を探していたから、ここにいるのだと気づいたから。



途端に、私の目から大粒の涙があふれだした。


昨日は辛いことがたくさんあったけど、泣いていない。


眠らずに暗闇の中でもんもんと考え続けている間も、一粒の涙も流れなかった。


悪いのは自分だと思っていたから、泣けなかった……。



でも今は、結城くんに抱きしめられて、涙が溢れて止まらない。


もう結城くんには迷惑かけないと昨日思ったばかりなのに、

こうして私を探しに来てくれた彼なら、私の想いを聞いてくれるんじゃないかってまた甘えてしまう。


< 199 / 257 >

この作品をシェア

pagetop