あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「厚化粧の女より全然いい。葉月さんは元がかわいいんだから」

「ちょっと架、厚化粧って私のこと言ってるの?」

 社長が突っかかったところで、架くんの顔がようやく離れていく。
 もう、やめて欲しい。男性への免疫がない私は、たったこれだけのことでかなり動揺してしまうのだから。

「まさか。凪子さんも素で十分綺麗だよ」

 女性を褒めることに関しては、架くんには天性の才能がある。
 どこまで本気で言っているのかわからないけれど、お世辞も含め、女性をよろこばせるのが非常に上手だ。

「でもさ、葉月はもっとマスカラとかしてみたらどうかな? 目元がパチッとなってお人形さんみたいになるわよ?」

「なりませんよ。私、ブサイクですから」

 私の顔はアイラインを引いても地味なままなのはわかっている。
 だが、マスカラやマツエクなどを施したところで、どこまで変わるのかと冷めている自分がいるのだ。
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