あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「架、アンタも来週の花火イベントの準備、ぬかりなくね」

「うん。それは葉月さんが居るから大丈夫。心配なのは天気だよね。雨降らなきゃいいけど」

 来週うちが予定している花火イベントとは、ビルの屋上で飲食を楽しみ、そのあと夏らしく花火をしようという企画だ。

 気の合う相手と手持ち花火をしながら語り合えば、仲良くなるスピードも加速するし、ロマンチックだからカップル成立も増えそうなのだが、架くんの指摘通り、天気を心配している。
 梅雨明けしているので大丈夫だろう。そこはある意味賭けだけれど。

「あ、そうだ。よそで面白いイベントやるみたいだよ?」

「なにそれ!」

 私の隣で椅子に腰を掛けつつ、架くんがニコニコしながら口にすれば、社長が即座にそれに食いついた。

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