あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「あのぅ……リーベ・プロデュースって、そんなにすごい会社なんですか?」

 勉強不足な私は、その社名を耳にしても全然ピンとこなかった。
 首をかしげながら素直に質問してみると、社長がしだいに苦笑いの笑みを浮かべた。

「リーベ・プロデュース自体は、わりと最近出来た会社なの。だけど母体がリーベ・ブライダルっていう会社でね、リーベ・プロデュースはそこの子会社」

「リーベ・ブライダル……」

「今、業界で急成長中のブライダル会社よ」

 なんとなくその社名は聞いたことがある。
 たしか結婚式や披露宴で細やかなサービスをしてくれる会社だと……

「リーベ・プロデュースのイベントでカップルを作って、結婚まで話が進んだら、ブライダルも受注する目論見(もくろみ)だな」

 架くんが頬杖をつきながらボソリとつぶやいた。
 いくらなんでも、うがった見方をし過ぎではと思ったけれど、社長も大きくうなずいているから、間違いではないようだ。

< 18 / 273 >

この作品をシェア

pagetop