あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 それは差別だろ。有名なアイドルグループでもあるまいし、なぜ俺だけ恋愛してはいけないのかと即座に不貞腐れた。

「アンタはもうちょっとリハビリが必要でしょ。社内で適当な遊びの恋愛をされたら、女の子がかわいそうだもの。もしそんなことをすれば、私はアンタを刺すからね?!」

「はは。マジで殺されかねない」

 凪子さんは俺のことを気遣って、面倒をよく見てくれているけれど、それ以上に彼女にとって会社の社員は大事な存在なのだ。

「なに? 気になる子でもいるの?」

 じろじろと俺の顔をうかがいながら凪子さんが詮索をしてくる。
 この人に隠し事をしようとしても無駄だ。昔からなぜかなにもかも見抜かれるのだから。

「ひとりね、かわいい人いるでしょ」

「……葉月?」

 個人名を出していないのに、ズバリ言い当てられた。そんなに俺はわかりやすいのだろうか。

「まるで読心術だな」

「見てればわかるわよ」

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