あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 それから数ヶ月が経ち、季節が変わって暖かくなるころだった。
 凪子さんが社員全員を集め、報告や業務連絡をしていたときのことだ。

「え~、半年前にうちのイベントで知り合った大森(おおもり)さんと谷田(たにだ)さんカップルが、秋にご結婚されるそうです!」

 凪子さんの明るい口調での報告に、周りから「おぉ~」と歓声があがる。
 俺は入社前でそのイベントには携わっていないけれど、ここで知り合った人たちが結婚するのか、と感慨深げなものがあった。

 人と人が出会って縁になり、結婚するのだ。
『幸せをお手伝いする会社なの』と凪子さんに言われた意味がわかった気がする。

 このとき何気なく、葉月さんの姿がふと視界に入った。
 彼女は凪子さんの話を聞き、胸を熱くしたのか目に薄っすらと涙を溜めていた。
 それを周りに悟られないよう、隠すようにそっと目尻の涙を指で拭っている。

 このとき、俺は葉月さんから目が離せなくなった。
 とてつもなく彼女が綺麗で、かわいくて、キラキラと輝いているように見えたから。

 結婚するカップルが出来たことに感動して涙ぐむ彼女を目にして、その純粋さに惚れるとは思いもよらなかった。

< 202 / 273 >

この作品をシェア

pagetop