素顔で最高の恋をしよう
4.イケメンの意味不明行動

―――― 4. イケメンの意味不明行動

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 週が明けた月曜日、肝だめしイベントでの失態を社長に話して詫びると、豪快に笑い飛ばされて終わりだった。
 架くんに迷惑をかけたこともきちんと報告したのだけれど、どうやらそれは社長の中では想定内だったらしい。

 それから半月ほど経ち、私は平穏な日々を過ごせている。
 私にはこうしたフラットで穏やかな日常が一番合っていて、幸せを感じる。

「葉月さん、お先に失礼します」

「あ、うん。お疲れ様」

 時計を見ればもう仕事の終わる時間になっていた。
 隣のデスクの樹沙ちゃんが幾分申し訳なさそうに挨拶をしながら退社していく。

 樹沙ちゃんは実家暮らしで、お母さんと共にお婆さんの介護をしているらしい。
 そういう事情から、ぴったり定時で仕事を切り上げて帰宅するのだ。

 彼女は私よりも年下なのに気が利くし、しっかりしている。
 お母さん自身が肉体的にも精神的にも参ってしまいそうだから、自分だけ知らん顔して任せっきりにはできないと話していた。
 だけど若いのにお婆ちゃんの介護を毎日手伝うなんて、本当にやさしい気持ちの持ち主だと思うし、私は尊敬している。

 彼女だけ残業をせずに毎日定時であがっているので申し訳なさを感じてるのか、私たち同僚への配慮も忘れない。
 私はそんな樹沙ちゃんと気が合うし、大好きだ。

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