あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「ちょっと、放して!」

 私は今、かなりひどい顔をしているに違いない。
 そんな思いから足元に視線を落としたままでいると、私が先ほどまで居た給湯室にあっという間に押し込められてしまった。

「架くん!」

 私の言葉とほぼ同時に解放された。掴まれた腕の部分が、痛くはないのに痛い気がするのはなぜだろう。

「なんで俺のほう見ないんだ?」

「……」

 答えに困り、どうしたものかと背を向けながら考えていると、肩を掴まれてくるりと一瞬で反転させられた。

 気がつけば背中は壁で、逃げ場のない私を囲うように、架くんが壁に手をついて至近距離から私を見下ろしている。
 一瞬見えた架くんの表情は怒りの色がむき出しになっていて、とても不機嫌そうだった。

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