嫌なアイツ
私は人前で泣く事が殆どと言って無かったから海莉は驚いたんだと思う…
『愛莉?もう大丈夫かな?』
そう言って私の顔を覗き込む翔…
『鼻と目が真っ赤になってるよ…』
そう言い私の鼻と目を撫でる翔…
私が笑うと…
『愛莉はやっぱり泣いてるより笑った顔の方がいい。愛莉にはいつまでも笑ってて欲しい…』
翔はそう言った。
饗庭さんが氷水で冷やしたタオルを持って来てくれて翔が私の目をタオルで冷やしていたら…。
海莉が翔に私をあんまり甘やかしたらダメ!って言ってたけど…
既にもう遅い様な気がする…
私は既に翔に甘えてしまってる状態に成りつつあるし現にもう翔に頼ってしまってる状態だと思うから…
海莉の言葉に翔は…
『愛莉がいつでも頼って甘えれる様に俺が愛莉の側に居るんだからいいんじゃ無いかな?』
と翔が海莉に言うと海莉は…
【ご馳走さま!】
と言い続けて…
【愛莉ちゃんが幸せなら私もそれでいいんだけどね!】
と海莉は言った。
「愛莉さんも泣きやんだ事だし…ぼちぼち行きますか?」
と饗庭さんの声に翔も私も海莉も立ち上がった。