嫌なアイツ
行き先を知らない私と海莉…
お互いの彼氏の車の右側に分かれて乗った。
『愛莉?海莉ちゃん良かったな!』
と車のエンジンをかけながら言う翔に私はうん!と笑顔で答える。
『由良の奴。プールに行く前にあいつのカフェに三人で行っただろう?あの時から実は海莉ちゃんに一目惚れだったんだよ…あの後あいつしつこい位に海莉ちゃんの事を訊いて来てさ…愛莉さんは翔の彼女なんだよな?海莉ちゃんは愛莉さんの妹でお前とは関係ないんだよな?ってしつこい位に由良の奴が訊いて来てたんだよ…』
笑いながら言う翔を見て私がそうだったの?
と聞き直した。
『あぁ。由良の奴あんなに必死で海莉ちゃんの事を訊くなんて俺は初めてだったよ。一目惚れした相手だからかな?黙っててくれよ!って由良に言われてたのについつい言っちゃったから…』
翔は本当に嬉しそうな顔をして話をしてくれた。
行き先も解らない知らないまま私は翔の運転する車の中で色んな話をしてた。