嫌なアイツ
私は父にだけ居場所を連絡してた。
携帯では無く家の電話で父の携帯に電話をし着いた事を告げた。
父はとても辛そうな声をしてたけど私は自分で決めた事だから…
親不孝な娘でごめんね…
そう言って電話を切った。
携帯の電源を立ち上げると…
……………………。
海莉や饗庭さん、翼さんに母の着信やメールがどっさり入ってた。
私はメアドを代える為に通信を始め…
携帯が急に成ったので驚いて観ると…
翔からの着信だった
翔は私の記憶がないのに掛けてくるはずがない…
私は翔の着うたが切れるまでその画面に表示された翔の名前と電話番号と着うたを聴いてた。
着うたが切れ…
私は携帯を握り締めたまま泣いた…
失ってはいけない人を失って初めて知る気持ちを…
感情を…
私はコントロール出来なくて…
私は長野まで…
逃げて来た。
一人に成りたくて…
そして…
愛しい人達の幸せを遠くから祈る…
そう決めて私はここへ一人で来たんだから…
海莉と饗庭さんの幸せを…
翼さんの幸せを…
父や母の幸せを…
そして…
私の愛した翔の幸せを遠くから祈って…