嫌なアイツ
長野に居る事がバレるのも時間の問題だった…
父が饗庭さんと翼さんに私の様子を観て来て欲しい…
そう言ったのが始まりで…
饗庭さんと翼さんはみんなに内緒で長野の家に来た。
私はビックリした。
まさか…
父が饗庭さんと翼さんに私の居場所を話すなんて思って無かったから…
翔の退院祝いの話を聞くと…
二人が黙った…
どうしたの?
と首を傾げて訊くと饗庭さんが話をしだした。
「愛莉ちゃんが家に居ないのを翔が知って翔があの人は?と愛莉ちゃんの事を訊いたんだよ…テーブルに置かれた料理を食べて翔があの人が居るから俺はここに帰って来たかったのにあの人が居ないんじゃ意味がない!」
って暴れたんだよ…
と言う饗庭さんに私は何も返事が返せ無かった…
翔…
記憶がないのに…
〔兄貴は多分…。記憶が無く成っても本能で愛莉ちゃんを求めてたんだと思うんだよ…〕
と翼さんが言った。
本能で?私を?
有り得ない話…
「愛莉ちゃん…。海莉が凄く心配してるから帰って来てくれないかな?」
とお願いをする饗庭さんに私は頭を左右に振って無理だと伝えた。