嫌なアイツ





更に…


ナンパ男は言った…



[彼氏彼女だったらさ!その証拠をここで観せてくれる?観せてくれたら俺も諦めるからさ!!]



……………………。



証拠と言われましてもね…


話を合わせて貰ってるので…


下を向いた私に…



アイツは私の手を引っ張り私を腕の中に抱き締めた後…


私の顎を持ち上げ…


キスされた…



!!!!!!!!


私はビックリして声を出せ無かった…

何をされたのか?

一瞬の出来事だったから…


私はアイツの胸に顔を付けてただじっとしてるだけしか出来無かった。




『愛莉は俺の彼女だって事が解ったか?ナンパ男よ!』

アイツはナンパ男に低い声で言った。
今まで訊いた事も無い低い、低い声だった。



ナンパ男は済みません!と言いその場から立ち去った。




私はまだアイツの腕の中で抱き締められてた。


いつもなら嫌がる私なのに…


ナンパされて嫌がる私を無理矢理、連れて行こうとした恐怖感からか?

アイツの腕の中がみょうに安心した…



『愛莉さん?もう大丈夫ですよ?』

そんな声を掛けられ顔を上に上げると…



観た事も無い笑顔が私に向けられてた。







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