傷む彼女と、痛まない僕。

 「ストップストップ。 暴走しすぎ、小山くん。 別に大ちゃんは僕の事なんて何とも思ってないよ。 病気持ってる事も話したし」

 小山くんを制止し、『小山くんも着替えなよ』と小山くんの背中を押してロッカーに向かわせようとするも、

 「病気は関係ないだろ」

 小山くんは、『動きたくありません』とばかりに足に力を入れその場に留まると、嫌悪感丸出しの顔で睨む様に僕を見つめた。

 小山くんは、優しくて心が綺麗。

 『病気は関係ない』は、小山くんの本心なんだと思う。 だけど、
 
 「あるよ。 彼氏が病気持ちって面倒でしょ。 彼女になる人に申し訳ない。 迷惑かけたくない。 だから僕は誰かを好きになる事はない」

 僕には、小山くんの言っている事が綺麗事にしか聞こえない。
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