世界を守れそうな6人

放課後の苦悩

2時間位が経過した頃だろうか。蛍人は何かの気配を感じ、目を開けた。

そこにいたのは眼鏡をかけた黒髪のショートヘアが印象的な、30代半ばくらいの女性であった。

まだ思考が鈍っていた蛍人は何故入れる訳がない女性がいるのかが、理解出来なかった。


「あらあら、起こしてしまった?」

「寮母さん……?」


ようやく何故女性がいるのかが理解出来た蛍人は、ゆっくりと身体を起こした。


「寝ていて良いよ。……それから、寮母さんって言われ慣れないから、かほるで良いよ。君はえーと……湯浅君だっけ?」

「……かほるさん。何故この場所に?」

「貴方の荷物を届けてくれた女の子に頼まれたの。水被ったんだって?」


そう言いながら蛍人の額に手を当てて、熱があるかどうかを確認するかほる。

蛍人はその手から伝わる熱をぼんやりとただ“温かいな”と感じていた。

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