神様はピエロ、
「おはよー!」
「おっはよー」
朝の学校では生徒達の
元気な声が飛び交う。
たくさんの人が
あたしに声をかける。
あたしは適当に挨拶を
返しながら
教室に向かう。
―二年三組
あたしの教室。
女子は仲が良いし、
男子とも仲が悪いわ
けじゃない。
どちらかといえば
まとまってるし
先生だって良い人。
あたしはこのクラスが
けっこう好きだと思う。
なかなか充実しているし。
「おはよう、菜央!」
「柚子おっはよー!」
あたしの名前、菜央。
そして柚子はいつも
一緒にいる友達の1人。
もう1人は凛っていう子。
二人とも明るいし
凄く好き。
「昨日彼氏と喧嘩しちゃってさー!
学校休むとこだったしー。」
台詞にあわないような
元気な声で報告が入る。
柚子の彼氏は年上で
よく喧嘩する。
彼氏はチャラくて
よく浮気してるみたい。
あたしなら絶対
無理だなあ、
そんな彼氏‥。
「えー、あたし柚子
いないとやって
いけないかんねえ。」
「知ってるー!
菜央の為に学校
来たんだもーん」
「きゃー柚子大好き!」
朝から教室のど真ん中で
抱き合うあたし達。
馬鹿みたいに見えるけど
あたしはこんな
馬鹿みたいな時間が
一番好き。
てか誰かに馬鹿っぽく
思われても平気な
気がする。