音ちゃんにお任せ



「あ、いえ。すいません。昨日遅くまで勉強していたからでしょうか。ボーっとしてしまって」

「大丈夫?」

「はい、もちろん」



今日は早く帰らせてもらって早めに寝よう。
そう決意を固めた。




「綾瀬」




お弁当に箸をつけると、不意に声をかけられた。
顔をあげると、一ノ瀬くんです!
未江ちゃんがあからさまに驚いた表情を浮かべています。



「一ノ瀬くん、どうしました?」

「・・・この前のお礼」

「え・・・」




そう言われ、渡されたのはかわいらしいシュシュでした。
女の子らしいピンク色の水玉模様のシュシュです。




「お礼って・・・、私、別にそんなつもりじゃ」

「勘違いすんな、ことからだから」

「琴心ちゃんですか?」

「あんたに渡せってうるさくて」




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