音ちゃんにお任せ
そして、一緒にいるのは華野。
「わ、一ノ瀬くんのレアな笑顔!」
面倒くさい奴に見られた。
くそ。
「一ノ瀬くんのバイト先、こちらだったんですね」
「・・・ああ。開いてるとこ適当にお座りください」
愛想笑いをやめそう言って促すと、綾瀬は笑って華野を連れて席に着いた。
なんだか、普通そうだな。
なら、いいけど。
げんなりした気持ちのまま奥に引っ込む。
「なに、瑞己知り合い?」
「あ?・・・クラスメイト」
「なにそれー、瑞己友だち連れてくるとか初めてじゃん?」
「別に連れて来たわけじゃねぇよ。たまたまだ」
誰が連れてくるか。
自分がバイトしてるところなんか。
テキパキと水とおしぼりを用意する。