音ちゃんにお任せ



どうしましょう。
一ノ瀬くんといると、私自分が自分ではなくなるようです。


思考回路がごちゃごちゃになってしまって・・・。
思ってもないことをしでかしてしまったり。



うまく、話せません・・・。




もともと、人付き合いは苦手で。
それが拍車かかってしまったようです。




落ち込み具合にも拍車がかかり、一ノ瀬くんの上からどけると座り込んで肩を落とす。
いい加減、一ノ瀬くんにも呆れられました。
嫌われてしまったかもしれません。


助けに来たことを、後悔しているかも。



ほら、また溜息です・・・。


一ノ瀬くんは、私といると、よくため息を吐いてます。
それはきっと、私といるのが面倒だと思っているからで。



それでもこうしていてくれるのは、一ノ瀬くんの優しさで。




おせっかいな私を、見捨てられない優しい人なのです。





「落ち着け」




一ノ瀬くんが私の頭を撫でる。
優しい手にハッとすると、優しい瞳が私を見ていました。





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